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第一章 いざ学園へ!
第四話
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アミーラの姿を見て、彼女を幸せにするという決意を改めて固めたわけだが……彼女を幸せな生存ルートへ導くためには、彼女本人をどうにかするというよりもイケメンどもをどうにかするほうが良いだろう。
アミーラは聡明で誇り高く、兎にも角にも可愛くて美しいのだけど……いかんせん巻き込まれ体質で、悲劇を回避しても新たな不幸に巻き込まれる可能性が高い。
だから悲劇を回避しつつ将来の幸せも確保するために、危険性の高いイケメンどもを安全な状態にしておくことが必須条件と言える。
そのためにも、次はアミーラを悲劇に追い込んだ憎きイケメンどもを直にチェックしておこう。
教会を後にした私は、学校内を散策してゲームに登場したキャラクターたちを探してみた。
「シハロ・マリボン! うら若き令嬢たちを誑かすのはやめろ!」
するとすぐ近くで聞き覚えのある名前を叫ぶ、聞き覚えのある声がした。
校舎内の中庭あたりで声がしたので近付いてみると、そこにはいかにも優等生という見た目の少年、子犬のような少年、アミーラとよく似た顔をした少年の三人がいた。
「誑かすなんて人聞きが悪いなぁ、せんぱ~い。彼女たちとはオトモダチとして仲良くしているだけだよ」
子犬のような見た目をした少年が、悪びれる様子もなくそう言う。
彼の名前はシハロ・マリボン。
トイプーのような茶色くふわふわとした瞳と髪、女性ウケする可愛らしい顔立ちが印象的な少年だ。
ただその可愛らしい見た目を利用して、年上の令嬢たちを虜にして貢がせたり利用したりと問題を起こすことが度々ある問題児。
「そのオトモダチとして仲良くしているのが、彼女たちの卒業後に悪影響を与える可能性があるから注意しているのだ!」
シハロに注意している彼はタリブ・タウィル。
貴族にしては珍しい黒髪黒目の少年で、メガネのよく似合う優等生であり学園の生徒会長だ。
レイラでは髪と瞳の色がランクを決める指標になっていて……アミーラのような金髪碧眼が上位貴族、後輩くんのような茶髪や茶色がかった瞳が下位貴族、平民は黒髪黒目、王族縁の者だけが紫の髪と瞳をしている。
つまり私や生徒会長は本来であれば貴族には分類されない見た目をしている。
「落ち着け、二人共」
二人を宥めているアミーラとよく似た彼は、アルア・ファハンロ。
アミーラの弟であり、ファハンロ公爵家の跡取りだが、立場を鼻にかけることなく周囲を気に掛ける、面倒見の良いタイプだ。
ちなみにシハロは一年生、私とアルアは二年生、タリブとアミーラは三年生で、本来であれば学年を超えて交流することはあまりないのだが……彼らは別なようだな。
こうして見ると普通の学生にしか見えないのだが……彼らはそれぞれが心に闇を抱えていて、その闇が理由でヒロインに惹かれ、そしてアミーラを悲劇へと追い込むことになる。
だから一応ヒロインである私は彼らにできるだけ関わらないようにしつつ、アミーラの幸せのためにも彼らの心の闇を払えるように動かなければならない。
イケメンどもを確認した私は、彼らと関わらないようにするために静かにその場を立ち去った。
中庭を後にして校舎へと続く廊下を歩いていると最大の問題である少年と、彼に話しかけるアミーラを見かけた。
「エスネイニ様。ご機嫌よう」
アミーラが挨拶しているのに、返事どころか目もくれずにそのまま歩き続ける無気力で、トゲトゲとしたオーラを纏った少年。
彼の名前はエスネイニ・レイラ。
このレイラ国の王子であり、王族の印である紫の髪と瞳をしている少年だ。
アミーラと同い年の婚約者であり、彼女の大切な想い人。
幼い頃から彼を想い続け、婚約者にまでなったアミーラの瞳は恋する乙女の輝きを宿し、頬を上気させ、上品に振る舞いつつも想い人に会えた喜びを隠せない表情をしていた。
ただそんなアミーラに反し、エスネイニは婚約者である彼女に恋心はおろか関心すらなく……ゲームではヒロインに恋心を抱くようになる。
そんな野郎がアミーラの愛を受けているなんて腹立たしくてしょうがないのだが、彼に恋してキラキラしているアミーラを私は好きになった。
だから不服ではあるが、彼女の幸せのためにもエスネイニの興味関心がヒロインに向かないようにしつつ、アミーラの方に恋心が向けば良いなと思っている。
それにエスネイニは今のことろあんなだが……ゲーム内でヒロインに恋したときは、情熱的な愛情を注ぐ男になる。
愛情深いことはお墨付き、さらに一国の王子ともなれば……いかにアミーラが巻き込まれ体質と言えども、ある程度の問題は解決へと導くことができるだろう。
だから何としてもイケメンどもの危険性を排除しつつ、エスネイニの恋心がアミーラに向くようにしなければ……それでいて私はイケメンどもと関わらないようにすること。
うん、むっず……。
でもまぁ、イケメンたちを間近に見たことで、私がするべきことの方向性は大体定まったな。
アミーラは聡明で誇り高く、兎にも角にも可愛くて美しいのだけど……いかんせん巻き込まれ体質で、悲劇を回避しても新たな不幸に巻き込まれる可能性が高い。
だから悲劇を回避しつつ将来の幸せも確保するために、危険性の高いイケメンどもを安全な状態にしておくことが必須条件と言える。
そのためにも、次はアミーラを悲劇に追い込んだ憎きイケメンどもを直にチェックしておこう。
教会を後にした私は、学校内を散策してゲームに登場したキャラクターたちを探してみた。
「シハロ・マリボン! うら若き令嬢たちを誑かすのはやめろ!」
するとすぐ近くで聞き覚えのある名前を叫ぶ、聞き覚えのある声がした。
校舎内の中庭あたりで声がしたので近付いてみると、そこにはいかにも優等生という見た目の少年、子犬のような少年、アミーラとよく似た顔をした少年の三人がいた。
「誑かすなんて人聞きが悪いなぁ、せんぱ~い。彼女たちとはオトモダチとして仲良くしているだけだよ」
子犬のような見た目をした少年が、悪びれる様子もなくそう言う。
彼の名前はシハロ・マリボン。
トイプーのような茶色くふわふわとした瞳と髪、女性ウケする可愛らしい顔立ちが印象的な少年だ。
ただその可愛らしい見た目を利用して、年上の令嬢たちを虜にして貢がせたり利用したりと問題を起こすことが度々ある問題児。
「そのオトモダチとして仲良くしているのが、彼女たちの卒業後に悪影響を与える可能性があるから注意しているのだ!」
シハロに注意している彼はタリブ・タウィル。
貴族にしては珍しい黒髪黒目の少年で、メガネのよく似合う優等生であり学園の生徒会長だ。
レイラでは髪と瞳の色がランクを決める指標になっていて……アミーラのような金髪碧眼が上位貴族、後輩くんのような茶髪や茶色がかった瞳が下位貴族、平民は黒髪黒目、王族縁の者だけが紫の髪と瞳をしている。
つまり私や生徒会長は本来であれば貴族には分類されない見た目をしている。
「落ち着け、二人共」
二人を宥めているアミーラとよく似た彼は、アルア・ファハンロ。
アミーラの弟であり、ファハンロ公爵家の跡取りだが、立場を鼻にかけることなく周囲を気に掛ける、面倒見の良いタイプだ。
ちなみにシハロは一年生、私とアルアは二年生、タリブとアミーラは三年生で、本来であれば学年を超えて交流することはあまりないのだが……彼らは別なようだな。
こうして見ると普通の学生にしか見えないのだが……彼らはそれぞれが心に闇を抱えていて、その闇が理由でヒロインに惹かれ、そしてアミーラを悲劇へと追い込むことになる。
だから一応ヒロインである私は彼らにできるだけ関わらないようにしつつ、アミーラの幸せのためにも彼らの心の闇を払えるように動かなければならない。
イケメンどもを確認した私は、彼らと関わらないようにするために静かにその場を立ち去った。
中庭を後にして校舎へと続く廊下を歩いていると最大の問題である少年と、彼に話しかけるアミーラを見かけた。
「エスネイニ様。ご機嫌よう」
アミーラが挨拶しているのに、返事どころか目もくれずにそのまま歩き続ける無気力で、トゲトゲとしたオーラを纏った少年。
彼の名前はエスネイニ・レイラ。
このレイラ国の王子であり、王族の印である紫の髪と瞳をしている少年だ。
アミーラと同い年の婚約者であり、彼女の大切な想い人。
幼い頃から彼を想い続け、婚約者にまでなったアミーラの瞳は恋する乙女の輝きを宿し、頬を上気させ、上品に振る舞いつつも想い人に会えた喜びを隠せない表情をしていた。
ただそんなアミーラに反し、エスネイニは婚約者である彼女に恋心はおろか関心すらなく……ゲームではヒロインに恋心を抱くようになる。
そんな野郎がアミーラの愛を受けているなんて腹立たしくてしょうがないのだが、彼に恋してキラキラしているアミーラを私は好きになった。
だから不服ではあるが、彼女の幸せのためにもエスネイニの興味関心がヒロインに向かないようにしつつ、アミーラの方に恋心が向けば良いなと思っている。
それにエスネイニは今のことろあんなだが……ゲーム内でヒロインに恋したときは、情熱的な愛情を注ぐ男になる。
愛情深いことはお墨付き、さらに一国の王子ともなれば……いかにアミーラが巻き込まれ体質と言えども、ある程度の問題は解決へと導くことができるだろう。
だから何としてもイケメンどもの危険性を排除しつつ、エスネイニの恋心がアミーラに向くようにしなければ……それでいて私はイケメンどもと関わらないようにすること。
うん、むっず……。
でもまぁ、イケメンたちを間近に見たことで、私がするべきことの方向性は大体定まったな。
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