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第28話 小さな魔獣対策②

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翌朝、朝食後、アリスを連れて早速隣のエリス神殿に向かった。お供はパールだけだ。近いからな。境内では巫女姿のダークエルフ、ダクネが高帚をもって掃き掃除をしていた。彼女は俺たちを見つけるとスキップしながら駆け寄ってきた。身軽だなこの子は。

「これは御使い様っ聖女様っ、おはようございますっ。」
「ああ、おはようダクネ。ちょっと聞きたいんだが、昨日きゅぴぃに何があった?ボロボロで帰ってきたんだが?」
「申し訳ありませんっ。実はエルフの里から来た参拝客が連れてきた子供たちにっ。」
「に?」
「見つかったとたんっ、飢えた狼の如く猛ダッシュで突撃されてしまいましてっ。」
「て?」
「あっという間にもみくちゃにされてしまいっ、止める術がありませんでしたっ。すみませんすみませんっ。聖獣様を守れない私は死んでお詫びいたしますっ。」
「そうか、別に死ななくてもいいが、そんなことだろうと思った。子供は実に厄介だ、遠慮も加減もしないからな。」

そこに丁度エルリーナもやってきた。高帚を両手で握りしめ、身体の前を隠すようにちょっと内股で歩いている、まだ少し裾を気にしているようだ。

「おはようございます。御使い様、聖女様。ようこそお越しくださいました。」
「うん、おはようエルリーナ。昨日ダクネがな、回転スキップして飛び跳ねて暴れてても見えなかったぞ、俺の創造する衣装は可愛くて完璧なんだ。堂々としていればいい、気にするな。」
「えっ?いや、はい。分かりました御使い様。」

「ところで、きゅぴぃの事なんだが。」
「里の子供たちの件ですね、せっかく来てくれたのに来るなとは言えませんし・・。」
「うむ、だから子供たちの気を引く物品をオプションで追加する事にした。神殿には物品販売コーナーがあるだろう?」
「はい、エリス様のお札やおみくじなどを取り扱っております。」
「そこに等身大と手持ちサイズのきゅぴぃぬいぐるみを置く事にする。ぬいぐるみなら弄り回されても問題ないし、帰りに買って持ち帰ればエリス神殿の良い土産にもなる。きゅぴぃはエリス神殿の聖獣なんだしな?」
「ソウシ様、素晴らしいお考えです!」
「はい、それならばきゅぴぃちゃん様も子供達にいじり倒されずに済みそうですね。」
「はいはいはーいっ、あたしもそのぬいぐるみ欲しいですっ。抱っこしてもふもふしてすりすりしてむにむにして寝たいですっ。」
「あの、えっと。ぬいぐるみは私も欲しい・・です。。」
「ですよねっ、ですよねっ、エルリーナ姉さまっ。」
「それは構わんよ、巫女の役得で持っていきな。可愛いものを愛でる心はとても大切だからね。」
「「ありがとうございます。」」

2人は手を取り合って喜んでいる。ほんと仲いいな、美人だし可愛いし見ていてほっこりするよ。女の子はぬいぐるみが大好きだな、俺は男だけど大好きだ。文句ある?


「それともう一つ、これだ。」

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