よもやまメモ噺

投げるか保存するか噺

　子どもの頃、歯が抜けると庭などに持って出て、上や下に向かって投げた経験のある人もいると思う。

　上の乳歯が抜けたら下に、下の乳歯が抜けたら上にといった具合に歯が生えてくる方向に向かって投げたという人もいれば、上の乳歯ならば屋根に向かって、下の乳歯ならば縁の下に向かって投げたといったように、抜けた歯と投げる方向は地域などによって差があるとのこと。

　この「抜けた乳歯を投げる」という風習は、次に生えてくる歯がネズミの歯のように丈夫な永久歯になるようにという願いが込められているのだが、欧米にはこういった習慣はないという。

　欧米では抜けた乳歯を「トゥースケース」に入れて保管しておくのだが、これは箱や袋などに乳歯を入れて枕の下に置いておくと、乳歯を集める妖精がきて、歯の代わりにお金やプレゼントを置いていってくれるという言い伝えがあるからだ。

　では、今回はこの辺で失礼をば。