よもやまメモ噺

ワインセラーかシェルターか噺

　日本の近代化に大きく貢献し、歴史の教科書にも記載されている富岡製糸場。

　その富岡製糸場にブリューナ館と呼ばれる建物がある。

　明治政府は工場建設にあたって、1870年にフランス人技師のポール・ブリューナを雇い入れ、その期待どおりにブリューナは建設地を選定し、繰糸機や蒸気機関などを輸入、さらに必要な技術者をフランスから招聘するなど、工場の操業に大きく貢献した。

　ブリューナ館はそんなブリューナの私邸であったのだが、この建物には謎の地下室が存在している。

　なんのためにあるのか、その理由のひとつがワインを管理するためだったというもので、もうひとつがシェルターだ。

　当時日本国内ではまだ、実力で外国人を排斥しようという攘夷思想が根強く残っており、ブリューナ自身も馬車で通行中に石を投げられた経験があったという。

　そこで万が一に備えて、地下に避難場所を作ったのではないかとのことだ。

　では、今回はこの辺で失礼をば。