よもやまメモ噺

別れじゃなくて再会だった噺

　学校の卒業式や紅白歌合戦のフィナーレなどで歌われるのが「蛍の光」である。

　その哀愁を帯びたメロディーから、”別れ”をイメージする曲として歌われることが多いが、もともとは再会ソングだったという。

　そもそも「蛍の光」は日本の歌ではなく、原曲はスコットランド民謡の「久しき昔」という曲で、その歌詞は離れ離れになっていた友人同士が再会し、酒を酌み交わすといった内容で、さらにメロディーこそ同じもののバグパイプなどで陽気に奏でられるのだ。

　日本では明治14年に「小学唱歌集初編」に「蛍」という題で載ったのがはじまりで、蛍の光や窓の雪を灯りとして書を読んだという中国の故事を織り込んだ歌詞がつけられ、卒業式で必ずといっていいほど歌われたことから、”別れ”の曲としてイメージされるようになったという。

　では、今回はこの辺で失礼をば。