よもやまメモ噺

紅と黒噺

　結婚式や入学式などといったお祝い事では紅白、お葬式では黒と白というような配色を用いることが多いが、この2色によって祝い事と弔事を表すのは日本独自のことだという。

　まず日本において白は清浄な神の世界の色として最高の格付けがされているので、祝い事にも弔事にもふさわしいとされているのだ。

　次に赤についてだが、これは陰陽説が深く関わっているらしいとのこと。

　本家である中国において、赤は陽とされ、婚礼や誕生祝いなどの祝い事を「紅事」ということから、日本でも赤をめでたい色として用いるようになったという。

　一方で弔事の黒は、欧米に倣って取り入れられたとのこと。

　もともと日本では薄墨色が喪の色として扱われていたが、文明開化の風潮によって西洋の文化が流入してくるのと同時に、キリスト教圏内で喪の色とされていた黒が日本でも取り入れられるようになったという。

　では、今回はこの辺で失礼をば。