よもやまメモ噺

いんじんリュウキ

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超未熟児だから噺

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 カンガルーのトレードマークといえば、腹にある袋だ。

 中に子どもを入れて育てることから「育児嚢」とも呼ばれるのだが、カンガルーのメスが袋に子どもを入れて育てるのにはちゃんと理由がある。

 一般に哺乳類の場合、胎児は胎盤をとおして母体から栄養補給を受けることで成長していくのだが、カンガルーの場合はこの胎盤が十分に発達していないため、胎児は母体の中では成長できず、超未熟児状態で出産されてしまうのだ。

 わずか2センチほどの大きさで生まれた赤ん坊を育てるため、カンガルーのメスは自分のお腹にある袋の入り口までを唾液で濡らしてやり、赤ん坊はその道を這って袋の中に潜り込むのである。

 袋の中には乳首が4つあり、赤ん坊は母親の乳首を吸いながら十分に成長するまで何ヶ月も袋の中で過ごすのだ。

 つまり、あの袋は胎盤の代わりにあたるのである。

 では、今回はこの辺で失礼をば。
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