よもやまメモ噺

いんじんリュウキ

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江戸美人の条件噺

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 風景画と並んで浮世絵を代表するのが美人画である。

 菱川師宣の「見返り美人」や喜田川歌麿の「寛政三美人」などといった傑作が知られているが、こういった美人画の描き方にはお約束のようなものがあったという。

 それは顔は細面ながらやや下膨れで、目は切れ長、口はおちょぼ口といったもので、多くの浮世絵師はこの基本に従って描いたので、素人目に見るとどれも同じような顔に見えてしまうのである。

 ちなみに美人画の変遷をたどってみると、初期はほっそりとした美少女タイプ、天明期には八頭身美人、寛政年間にはナイスバディタイプ、そして幕末期にはやや頽廃的なムードの美女が人々の心をとらえていたとのことだ。

 では、今回はこの辺で失礼をば。
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