よもやまメモ噺

いんじんリュウキ

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黒髪だったから噺

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 自他ともに認める美貌の持ち主であったのが、フランス国王アンリ4世の妃であったマルグリッド・ド・バロアである。

 彼女は髪のおしゃれに執着したのだが、そこには彼女が黒髪だったことが影響しているとのこと。

 というのも、当時理想の美人は「バラ色の肌、ブロンドの髪」という風潮があったからだ。

 そのため、王妃が望むような見事なカツラをつくるために、美しいブロンドの髪を持った若い小姓たちの髪が刈り取られることもあったという。

 またある時は「髪に粉をふりかけるのも素敵でしょう」といって、自身の黒髪にすみれ色の粉をふりかけ、灰色っぽい髪にしてみせるという斬新な技術も用い始めたのだ。

 この粉は椎の木から取ったもので、香料がたっぷりと加えられていたとのこと。

 そして王妃を真似て、貴婦人たちの間でも髪に粉をふりかけるのが流行したという。

 では、今回はこの辺で失礼をば。
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