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ご機嫌な夏目漱石噺
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褒められたら誰だって気分が良くなるものだ。
ある時入院中だった夏目漱石は、髪をすっきりしたくなって病院近くの床屋に足を運んだ。
床屋の主人は「旦那さん、いい髪してますね」と盛んに褒めちぎった。
もちろんお世辞である。
漱石は「そんなことないよ。白髪も多いしね」と一応謙遜してみせたが、主人は「どうです、この曲がりよう。まるでコテを使ったみたいじゃありませんか。コテを使ったわけじゃないんでしょう?」とさらに褒め続け、「そんなの使ってないよ」と漱石が返すと、「ほれ、やっぱりたいしたもんですよ。いい髪してますねぇ」とたたみかけた。
その結果、散髪が終わったころには漱石はすっかりご機嫌で、12銭の代金を「おつりはいらないよ」と、20銭も払って帰っていったという。
では、今回はこの辺で失礼をば。
ある時入院中だった夏目漱石は、髪をすっきりしたくなって病院近くの床屋に足を運んだ。
床屋の主人は「旦那さん、いい髪してますね」と盛んに褒めちぎった。
もちろんお世辞である。
漱石は「そんなことないよ。白髪も多いしね」と一応謙遜してみせたが、主人は「どうです、この曲がりよう。まるでコテを使ったみたいじゃありませんか。コテを使ったわけじゃないんでしょう?」とさらに褒め続け、「そんなの使ってないよ」と漱石が返すと、「ほれ、やっぱりたいしたもんですよ。いい髪してますねぇ」とたたみかけた。
その結果、散髪が終わったころには漱石はすっかりご機嫌で、12銭の代金を「おつりはいらないよ」と、20銭も払って帰っていったという。
では、今回はこの辺で失礼をば。
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