よもやまメモ噺

いんじんリュウキ

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商売相手だから噺

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 大島や新島、三宅島などからなる伊豆諸島は東京都に属しているが、なぜ立地的に近い静岡県ではなかったのだろうか。

 もともと伊豆諸島は江戸時代から幕府の直轄地で、島民は特産品の絹織物や椿油、魚の加工品などを江戸へ運んで生計を立てていた。

 はじめは契約している島問屋をとおして商売をしていたが、財政がひっ迫した江戸幕府に目をつけられ、幕府の専売となったのである。

 やがて明治の廃藩置県によって伊豆諸島は静岡県に編入されることになったのだが、島の人々はこれまでどおりに産物を東京で売らなければ生活が成り立たない。

 商売相手が東京なのに、何かトラブルが生じた場合は静岡県の指導を受けなければならないのは、色々と手間がかかるということで、1878年1月11日に伊豆諸島は東京に編入されることとなったのだ。

 では、今回はこの辺で失礼をば。
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