よもやまメモ噺

いんじんリュウキ

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江戸の割り箸事情噺

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 江戸時代、割り箸は単純に使い捨てはせず、最後まで無駄なく使っていたという。

 まずスタートとなるのは高級料亭で、ここでは上等な割り箸が使われていた。

 客が帰った後、使用済みの割り箸は集められ、箸処と呼ばれる箸の製造業者のもとに運ばれるのだが、そこで表面を削られるなどして白木の丸い箸に仕立て直されたのだ。

 二次使用となる白木の丸箸が使われたのは、蕎麦屋など外食産業の店だった。

 そしてここで使われた箸は再度箸処へと運ばれ、今度は漆で塗って塗り箸に仕上げるのである。

 三次使用となる塗り箸は一膳飯屋などで重宝されたのだが、こういった店では塗り箸を洗って使い回し、使えなくなるまで利用したとのことだ。

 では、今回はこの辺で失礼をば。
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