よもやまメモ噺

いんじんリュウキ

文字の大きさ
上 下
885 / 965

几帳面噺

しおりを挟む
 細かいところまできちんと丁寧に作業などをしている人のことを「几帳面」と言ったりするが、この「几帳面」とはそもそも何なのだろうか。

 平安時代の絵巻物などをイメージするとわかると思うが、部屋と部屋はふすまや障子ではなく2本の柱に横木を渡し、そこへ布を垂らした移動式カーテンのようなもので仕切られている。

 これの名前が「几帳」なのだ。

 そして”面”というのは、その柱の上の両角をまるく面取りしたもののことで、その両側に段上の刻みを入れて装飾されており、これが「几帳面」といわれる部分である。

 この細工はいい加減な仕事ではきれいに仕上がらないうえ、技術があっても我慢強い職人でなくてはできない。

 もちろん繊細なものだから、きちんと決められたとおりに正確にやらなくてはならないので、そこからそうしたことができる人のことを「几帳面」と呼ぶようになったのだ。

 では、今回はこの辺で失礼をば。
しおりを挟む

処理中です...