よもやまメモ噺

いんじんリュウキ

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きっかけは殿様のおかわり噺

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 岩手名物のひとつといえば、ご存じわんこそば。

 お椀に入れられたひと口分のそばを、投げ入れられるままひたすら口にかっこむという独特のものだが、そもそもどうしてこのような食べ方をするようになったのだろうか。

 諸説あるが、江戸時代の南部藩の藩主であった南部利直が参勤交代で江戸に向かう途中、花巻で宿をとった際に地元の農民たちがそばを差し出したのがきっかけだという。

 もともと岩手においてそばは「お立ちそば」と呼ばれる宴席のごちそうであり、大勢の客に茹でたてを提供するために少量ずつお椀に盛る習慣があったのだ。

 この時もひと口分のそばを出したのだが、それを利直が何度もおかわりしたのだという。

 この出来事をルーツとし、その後観光客に向けたパフォーマンスとして給仕係が投げ入れるスタイルなどが確立されていったとのことだ。

 では、今回はこの辺で失礼をば。
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