よもやまメモ噺

いんじんリュウキ

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不評なつまみ噺

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 ビールのつまみといえば、多くの人が枝豆を思い浮かべるのではないだろうか。

 ただ、日本初となるビアホールで出されたつまみは枝豆ではなかった。

 1899年7月、日本麦酒株式会社が東京・京橋区南金六町五番地のレンガ造の2階35坪を借りて開店させたのが本邦初のビアホールで、遠方からわざわざ馬車でやってくる人がいるほど大繁盛したという。

 このビアホールで出されたつまみは大根を薄く切ったものだったとのこと。

 これはドイツで大根がビールのつまみとされていたのを真似たものであったが、客からは不評でほとんど手をつけなかったという。

 そこで店はフキやエビの佃煮を出したのだが、客には好評だったものの、あまりに不体裁であるということからまもなく姿を消したとのことだ。

 では、今回はこの辺で失礼をば。
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