よもやまメモ噺

胡椒じゃない噺

　様々な料理に合う万能調味料として、すっかり食卓でお馴染みとなったのが柚子胡椒。

　だがこの柚子胡椒、”胡椒”と名がついているが胡椒はまったく入っていないとのこと。

　ではあの辛みはなんなのかといえば、答えは唐辛子である。

　よく見かけられるのは青唐辛子と柚子の青い皮でできた全体的に緑がかったもので、これは大分県日田郡天瀬町で保存用の香辛料としてつくられたのがはじまりらしいとのこと。

　この地域では唐辛子のことを「胡椒」と呼んだため、柚子胡椒の名前になったという。

　なお唐辛子を「胡椒」と呼ぶようになったのには諸説あるが、一説によれば中国との貿易が盛んだった九州において、「唐枯らし」という風に聞こえるのは縁起が悪いということで、「胡椒」と言い換えるようになったとのことだ。

　では、今回はこの辺で失礼をば。