よもやまメモ噺

1から11は？噺

　青森県には十二湖と十三湖という名前の湖がある。

　十二湖は県南西部の白神山地の一角にある33の湖からなる湖沼群で、透明度の湖がブナ林に囲まれており、観光地としても有名だ。

　一方の十三湖は津軽半島の北西部に位置し、日本海に通じている汽水湖で、シジミの産地としても知られている。

　十二湖、十三湖という名前からして、他にも数字のついた湖がありそうな雰囲気があるが、県内で名前に数字がつく湖は他に十和田湖があるくらいで、1～9と11が名前につく湖は存在しない。

　そもそも、十二湖、十三湖といっても、順番に数字を名前に振ったわけではなく、それぞれまったく別な由来を持つ湖の名前が、たまたま順番のような感じになったのだ。

　まず十二湖は、山崩れによって川がせき止められてできた湖沼群だが、崩れた山の頂から見渡しても、33ある湖のうち12個くらいしか見えないことからその名がつけられ、一方の十三湖は、かつて近くに十三湊という港があったことからその名がつけられたのである。

　では、今回はこの辺で失礼をば。