よもやまメモ噺

いんじんリュウキ

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対ウシ特化噺

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 しわのある顔につぶれた鼻の犬といえば、ご存じブルドッグ。

 なぜこのような味わいのある顔になったのか、その理由はブルドッグが闘犬だったからである。

 ブルドッグの起源は、13世紀のイギリスで盛んに行われていた「ブル・ベイティング」という娯楽にあった。

 これは平たく言うとウシと犬とを闘わせるもので、ブルドッグは興奮して荒れ狂うウシと闘うためにつくられた犬種なのである。

 ウシに噛みついたまま呼吸ができるよう、鼻は低くつぶれて上を向き、ウシの角に突かれたとしてもダメージが最小限で済むように顔や体にしわが寄っているなど、ブルドックの特徴はすべてウシと闘うためのものなのだ。

 ゆえに元々は攻撃性の強い性質を持っていたのだが、闘犬が禁止されて以降はそういった性質は徹底的に取り除かれ、家庭犬として穏やかで陽気な性格へと改良されていったのである。

 では、今回はこの辺で失礼をば。
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