よもやまメモ噺

いんじんリュウキ

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西と書いて北を示す噺

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 イリオモテヤマネコでも知られる沖縄県の西表島。

 沖縄では太陽が海に”入る”西のことを「イリ」と呼ぶので、与那国島にある日本最西端の西崎も「イリザキ」と読むのだ。

 ところが、同じ”西”でも方言の「イリ」と読む地名と「ニシ」と読む地名が混在しているのである。

 実際うるま市の西原は「イリバル」と読むのだが、那覇市郊外の西原町は「ニシハラ」と読む。

 しかも西原町の”西”は方角の西ではないのだ。

 沖縄では東を「アガリ」、南を「フェー」、北を「ニシ」と呼ぶのだが、西原町はかつての区域が琉球王朝の首都だった首里の北に位置していたことから「ニシハラ」の地名が生まれ、しかも漢字は”西”を当てたのでこのようにややこしいことになったのである。

 では、今回はこの辺で失礼をば。
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