よもやまメモ噺

いんじんリュウキ

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北は敗北に通じるから噺

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 恐竜でも知られる福井市。

 戦国時代には織田信長の重臣であった柴田勝家が居を構えていた場所だが、その頃は北ノ庄と呼ばれていた。

 名前を変えたのは徳川家康の次男で、関ヶ原の合戦後に同地を治めることになった結城秀康。

 秀康は北は敗北に通じるとして福井に改名したのだ。

 同じ様な理由で改名したのが喜多方市で、北方から「喜びの多い地方」の喜多方に改称したのである。

 このように縁起を担いで改称した場所は日本全国にあり、たとえば豊橋市は中世の頃には今橋といったが、今川義元が「忌まわしい」に通じるから縁起が悪いとして吉田に改称し、さらに伊予の吉田との混同を避けるために縁起のいい豊橋に改称したのだ。

 では、今回はこの辺で失礼をば。
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