よもやまメモ噺

いんじんリュウキ

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日本初の温水プール噺

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 犬公方の異名でも知られる江戸幕府5代将軍の徳川綱吉、その後を継いで6代将軍となったのが徳川家宣だ。

 生類憐みの令を廃止し、新井白石を登用したことでも知られる家宣だが、病に伏したときに「次の将軍職を吉通に譲りたい」と話したという。

 吉通とは、尾張藩4代藩主徳川吉通のことで、側近等の反対によって結局後継にはなれなかったものの、将軍に推されるほどの政治的手腕を有していたとのこと。

 一方でちょっと変わった一面もあり、江戸中期に温水プールを造らせたという。

 水練が得意だった吉通は、大金をつぎ込んで、長さ20メートル、幅5メートルのプールのようなものを造らせた。

 ある夏の日に吉通はこのプールに飛び込んだのだが、水がいささか冷たかったので、家臣に「水を温かくせよ」と命じたのだ。

 家臣たちは仕方なく、8個の大釜でお湯を沸かして注ぎ足したのだが、これが日本初の温水プールだといわれている。

 では、今回はこの辺で失礼をば。
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