よもやまメモ噺

いんじんリュウキ

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天使の輪噺

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 西洋絵画にみられる天使や、キリストや聖母マリアなどといった聖者の頭の上には、必ず光の輪が描かれている。

 この光輪は古代の宗教世界にも存在しており、ギリシャ・ローマ時代の神々などにもつけられ、2世紀頃よりキリスト教の図像にもみられるようになった。

 光輪は太陽信仰にルーツがあるらしく、昔太陽信仰者は太陽神にあやかりたいという気持ちから、太陽の光をかたどったものとして、頭に鳥の羽のついた輪をかぶっていたのだ。

 そこから古代人は神聖なものを描く時、頭の周りに光輪をつけるようになったのだろうとのこと。

 ちなみに、別の説として、昔聖者の像が木や銅で作られていた頃、外に置くと風雨に浸食されたり鳥にフンをかけられたりするので、これを防ぐために頭の上に大きな丸い皿状のものをつけたのだが、それが光輪として絵画に取り入れられたのではないかというのもある。

 では、今回はこの辺で失礼をば。
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