よもやまメモ噺

いんじんリュウキ

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子ども鉄道噺

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 ハンガリーのブダペスト郊外には、子どもたちだけで運営されている鉄道があるとのこと。

 この鉄道は運転士を除き、切符の販売から安全確認などの鉄道に必要な業務を、10歳から14歳の子どもたちが日替わりで担当しているのだ。

 路線はブダペストのヤーノシュ山の山麓にあり、登山鉄道の終点セーチェニ山と市電の駅があるヒューヴェシュヴェルジュ間の約12キロメートルを、片道40分ほどかけて走っている。

 子どもたちが運営しているという珍しさもあって、観光客にも人気のある鉄道だが、誕生の背景には社会主義が関わっていた。

 第二次世界大戦後、社会主義国となったハンガリーでは、子どもたちの社会教育の一環として、子どもたちだけで運営する鉄道を設けることにしたのだ。

 その後、ハンガリーの社会主義体制は1989年に終わったものの、子どもたちの社会教育に有効であり、さらに観光客にとっても既におなじみの存在として定着していたことから、廃止されずに存続することになったのである。

 では、今回はこの辺で失礼をば。
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