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いつまでも未完成噺
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浄土宗の総本山である知恩院は、比叡山を下りた法然上人が東山大谷の吉永に移り住んだことを起源とし、入滅された地に建てられたものである。
法然上人の弟子である源智上人によって基礎が築かれ、後に三河以来浄土宗に帰依した徳川家康が知恩院を菩提寺としたことから、家康、秀忠、家光の3代にわたって庇護され、壮大な伽藍が形成されていったのだ。
広い境内には様々な歴史的建築物が建ち並んでおり、その中でもひと際威容を保っているのが知恩院本堂で、開祖である法然上人の御影を本尊として祀っていることから「御影堂」とも称されている。
1633年に1度焼失したが、その6年後に家光によって再建された。
間口45メートル、奥行35メートルという壮大なお堂だが、その屋根の上に瓦が置き忘れられているところがあるのだ。
無論これはミスの類ではなく、「満つれば欠くる世の習い」という、この世は無常で完成すればあとは壊れていくだけだという仏教の教えに習い、わざと瓦を葺き残すことで未完成にしたという。
古来より完璧なものには魔が潜むといわれ、あえて不完全にすることで知恩院に降りかかる災いを逃れようとしたのだ。
では、今回はこの辺で失礼をば。
法然上人の弟子である源智上人によって基礎が築かれ、後に三河以来浄土宗に帰依した徳川家康が知恩院を菩提寺としたことから、家康、秀忠、家光の3代にわたって庇護され、壮大な伽藍が形成されていったのだ。
広い境内には様々な歴史的建築物が建ち並んでおり、その中でもひと際威容を保っているのが知恩院本堂で、開祖である法然上人の御影を本尊として祀っていることから「御影堂」とも称されている。
1633年に1度焼失したが、その6年後に家光によって再建された。
間口45メートル、奥行35メートルという壮大なお堂だが、その屋根の上に瓦が置き忘れられているところがあるのだ。
無論これはミスの類ではなく、「満つれば欠くる世の習い」という、この世は無常で完成すればあとは壊れていくだけだという仏教の教えに習い、わざと瓦を葺き残すことで未完成にしたという。
古来より完璧なものには魔が潜むといわれ、あえて不完全にすることで知恩院に降りかかる災いを逃れようとしたのだ。
では、今回はこの辺で失礼をば。
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