よもやまメモ噺

いんじんリュウキ

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音楽より食噺

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 「セビリアの理髪師」や「ウイリアム・テル」などのオペラ作品で知られるのが作曲家のジョアキーノ・ロッシーニ。

 彼は作曲家だけでなく稀代の美食家としても知られており、バイオリンの名手であるパガニーニを称賛する手紙に「私は人生で3度しか涙を流したことがない。自分の初めてのオペラを観客に野次られたとき、友人と舟遊びの最中にトリュフを詰めた七面鳥を湖に落としてしまったとき、そしてパガニーニの演奏を聴いたときだ」と記したという逸話も残っている。

 そんなロッシーニだが、7月革命で時のフランス国王であったシャルル10世が退位し、それに伴って自身に与えられていた終身年金が無効になってしまったことに激怒して作曲活動をやめてしまったのだ。

 そして選んだのがグルメの道で、トリュフを掘る豚の飼育に取り組んだり、「グルメのための天国」という会員制のレストランを主宰したりしたという。

 ちなみに、今でもロッシーニ風として彼が考案した料理が数多く残っているのだ。

 では、今回はこの辺で失礼をば。
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