よもやまメモ噺

いんじんリュウキ

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印刷機取られたちゃった噺

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 火薬や羅針盤とともにルネサンス期の三大発明として知られる活版印刷。

 この活版印刷を発明したのは、ドイツ出身の金属加工職人であるグーテンベルクだ。

 彼は金属加工職人としての技術を活かして、アルファベットの”活字”を作成し、それを並べて組むことでどんな文章でも簡単に”版”を作ることができるという合理的な印刷技術を考案したのである。

 ただ機械やインクなどを含めた開発には多額の資金が必要であり、グーテンベルクはこの資金をヨハン・フストという実業家に借りていたのだ。

 そしてようやく初めて出版物が世に出ようかというタイミングで、フストに資金の返済を求めた裁判を起こされ、グーテンベルクは敗訴し、借金のカタとして開発した印刷機などを取り上げられてしまったのである。

 その後、フストはグーテンベルクの弟子だった青年を引き入れて印刷事業を展開して、成功を収めたという。

 では、今回はこの辺で失礼をば。

 
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