よもやまメモ噺

口臭を消すために噺

　忍者は口臭を消す薬をいつも持ち歩いていたという。

　せっかく身を隠して忍び込んでも、口臭で敵に気づかれては何にもならないので、気配とともに口のにおいも消し去る必要があったのである。

　この時に用いられたのはハトムギやネズミモチといった植物であった。

　忍者は皮ごと炒めたハトムギを口に含んで口臭を防ぎ、またネズミモチはガムのように嚙んで口臭を消したとのこと。

　ネズミモチに含まれるタンニンという成分には抗菌作用があり、口中の雑菌を除去し、胃腸の働きを良くすることで口臭を取り除くのだという。

　さらに消臭効果のあるフラボノイドを含んでいるハコベの青汁も用いられたが、ハコベは歯磨きにも使われていたとのこと。

　なお、口臭をなくすためには唾液を出すことが大切だといわれ、忍者は草や木の葉をガムのように嚙んで唾液を出させていたという。

　では、今回はこの辺で失礼をば。