よもやまメモ噺

いんじんリュウキ

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クリスマス禁止令噺

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 クリスマスはイエス・キリストの誕生日とされ、「降誕祭」という呼び名もあるが、聖書のどこを読んでもキリストが12月25日に生まれたとは記載されていないのだ。

 理由のひとつされているのが冬至である。

 1世紀から4世紀にかけて、古代ローマではミトラス教という宗教が隆盛を極めていたのだが、ミトラス教では冬至である12月25日を「太陽をあがめる日」としており、対抗するキリスト教会は「正義の太陽」であるキリストが降誕した日ととなえるようになったとのことだ。

 なお、キリスト教ではクリスマスはあくまでもキリストの降誕を祝う日であり、キリストの誕生との見解は示していないのだが、時代を経るにしたがってキリスト教徒の間でクリスマスは定着し、派手なイベントやパーティーも行われるようになったのである。

 この状況に義憤を感じたのが、清教徒革命の中心人物であったクロムウェルだった。

 権力を握ったクロムウェルは、「聖書絶対主義」のもと、1647年にクリスマス行事を禁止する「クリスマス禁止令」を制定したのである。

 その後クロムウェルは独裁を続け、1658年にこの世を去ったのだ。

 では、今回はこの辺で失礼をば。
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