よもやまメモ噺

いんじんリュウキ

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する必要がないから噺

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 熊が冬眠するということは、おそらく多くの人が知っていると思う。

 秋になると熊は木の実などをたくさん食べて皮下脂肪を蓄え、冬の間はなるべく暖かい場所でできるだけ静かに過ごし、春になったら外に出て動き出す。

 ところが、動物園に行くと冬の間も冬眠せずに元気に活動しているが、この違いはいったいなんなのであろうか。

 これは、熊が冬眠するかどうか判断する基準は気温ではなく、皮下脂肪が厚さにあるからである。

 冬季、エサがなくなって大きな体を維持しきれない熊は、冬眠中に死んでしまわないようにひたすらに食べ、十分に皮下脂肪がついたと判断した時点で冬眠に入るのだ。

 ところが動物園では食べ物の心配はなく、皮下脂肪を蓄える必要もないため、冬眠せずに活動しているのである。

 では、今回はこの辺で失礼をば。
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