よもやまメモ噺

いんじんリュウキ

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どれでも対応可噺

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 最近では様々な形の墓石が登場してきているが、日本人が墓石と聞いて真っ先にイメージするのは直方体であろう。

 なんとなくイメージ的に仏教の決まりによってあの形になっているような感じもするが、仏教の教えのなかで墓石の形を決めているわけではないのだ。

 実際、仏典のなかに墓は直方体にしろなどといった決まりは存在していない。

 なので墓石に南無妙法連華経と書けば日蓮宗、南無阿弥陀仏と書けば浄土宗・浄土真宗といった宗派の墓になり、さらに極端なこといえば、十字架を刻めばキリスト教、コーランの言葉を刻めばイスラム教の墓としても対応可能なのである。

 このように墓石は日本独特の気配りが生み出したもので、どんな宗教にも対応できるように、あえて意味のない無機的な直方体にしてあるとのことだ。

 では、今回はこの辺で失礼をば。
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