よもやまメモ噺

いんじんリュウキ

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ケチケチ皇帝噺

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 1848年から1916年までの68年間にわたってオーストリア帝国を統治した皇帝フランツ・ヨーゼフ1世。

 彼はとんでもないケチだったという。

 例えば、彼が身につける洋服はほとんどが年代物で、同じ服を20年も30年も大切に着つづけたのだ。

 それはもう徹底しており、燕尾服やサロン服、狩猟服、背広などといったオフィシャルな服ですら、かなり流行遅れの代物で、私服に至っては侍従が「みすぼらしといわれる一歩手前だった」と証言するほどだったという。

 ましてや人の目に入らない肌着や靴下においては、穴が開いたら継ぎはぎをして限界まで着ていたとのこと。

 このケチのルーツは彼の祖父にあり、祖父のフランツ1世の治世にオーストリア帝国は国家財政の破綻から厳しい予算削減を強いられ、そのケチの血が孫に受け継がれたようである。

 では、今回はこの辺で失礼をば。
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