よもやまメモ噺

いんじんリュウキ

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箸を使おう噺

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 箸が日本に普及したのは奈良時代のことであった。

 それまで日本人は柏や椎の葉っぱに盛られた食べ物を、手づかみで食べていたのだ。

 箸自体が日本に渡来したのは6,7世紀のことだったが、庶民はもとより高位の官人や僧侶なども箸は使わなかったという。

 使わなかった理由はシンプルで、面倒くさかったからとのこと。

 そんななか、箸の使用を盛んにPRしたのが聖徳太子だ。

 ちょうど小野妹子ら第1回遣隋使への答礼の使節団が隋からやってくるタイミングであったため、隋の使節団に手づかみで食事するところを見られて馬鹿にされてはならぬと、役人たちに箸を使用するように周知した。

 その結果、使節団歓迎のパーティーでは全員が箸で食事をして相手に馬鹿にされるのをなんとか逃れたのだ。

 以降、箸を使う文化が日本人の間に定着していったという。

 では、今回はこの辺で失礼をば。

 
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