よもやまメモ噺

いんじんリュウキ

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毒矢を放つ貝噺

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 毒矢を放つのはイモガイと呼ばれる種類の貝で、サツマイモに似ていることからその名がついた。

 日本近海にはおよそ120種類のイモガイがいるといわれているが、食べているものによって放たれる矢が異なっているという。

 例えば貝食性のイモガイの矢は、本当の弓矢のように放たれて飛んでいく。

 一方魚食性のイモガイは、命中したさかなが逃げてしまわないように、捕鯨船のモリのようにひもが付いた矢を放つという。

 なかでもベッコウイモガイは、ひもの付いた矢を数十本格納しており、狩りの前にいつでも射れるように準備がされ、獲物の小魚が近づいてくると、魚めがけて矢を放つ。

 矢の先にはちゃんと”返し”も付いており、刺さったら最後、容易に抜けないようになっているのだ。

 では、今回はこの辺で失礼をば。
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