よもやまメモ噺

いんじんリュウキ

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間を取って噺

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 オーストラリア最大の都市といえばシドニーであり、その人口はおよそ410万人。

 そのシドニーに次ぐのがメルボルンで、人口はおよそ364万人。

 両都市ともオリンピックを開催した大都市だが、その中間地点に位置しているのが首都のキャンベラで、人口はおよそ32万人である。

 都市規模から考えれば先の2つの都市の方が首都にふさわしいような気もするが、キャンベラが首都になったのは、まさにその2都市が妥協した結果であった。

 1901年、オーストラリアが連邦制になるにあたって、シドニーやメルボルンを含めた激しい首都の誘致合戦が繰り広げられたのだ。

 なかなか決着つかないなか、妥協案として採用されたのが、シドニーとメルボルンのちょうど中間地点に新首都を建設するというものであった。

 それがキャンベラであり、当時はわずかに牧場が点在する荒野にすぎなかったのだ。

 本格的に首都建設が始まったのは1911年のことで、1927年には連邦議会議事堂が完成して正式に首都として機能し始めたものの、キャンベラの人口は思うように伸びず、ようやく首都らしい雰囲気を持つようになったのは第二次世界大戦が終結した後だったという。

 では、今回はこの辺で失礼をば。
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