よもやまメモ噺

いんじんリュウキ

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スコットランドに風景が似ていたから噺

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 避暑地として知られる軽井沢だが、明治初期に衰退の危機に陥ったことがあったのだ。
 
 1885年、信越本線が開業したものの、路線は群馬県の横川止まりで、軽井沢まではやって来なかった。

 そのため、横川の霧積温泉が夏の避暑地としてにぎわう一方で、軽井沢は廃れていってしまったのだ。

 ところが1886年、軽井沢にイギリス国教会の宣教師アレキサンダー・クロフト・ショーが現れると、状況に変化が起こる。

 ショーはこの地を訪れると、ひと目で気に入って旧軽井沢の大塚山に別荘を建てたのだ。

 すると、外国人の間でこの別荘が話題になり、ショーの宣教師仲間を始め、多くの外国人が軽井沢を訪れるようになった。

 そして洋風の別荘を建てる者が次々と現れ、いつしか軽井沢は異国情緒あふれる別荘地として知られるようになったのだ。

 ちなみに、ショーが軽井沢を気に入ったのは、軽井沢の風景が祖国スコットランドの風景に似ていたからだという。

 では、今回はこの辺で失礼をば。

 
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