よもやまメモ噺

いんじんリュウキ

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玉ねぎ臭かった噺

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 アメリカ合衆国イリノイ州の北東部に位置しているシカゴ。

 メジャーリーグの球団があることなどから、日本人にもお馴染みの都市であるが、この街の名前には玉ねぎが大きく関わっていた。

 この地は17世紀後半にフランス人の手によって開拓されたのだが、1688年に記された記録によると、シカゴとはアルゴンキン・インディアン語のChigagouに由来するという。

 これは「生ねぎの生えているところ」という意味なのだが、未開の地だったころのシカゴには野生の玉ねぎやニンニクが多く自生していたとのこと。

 これらの植物は独特のにおいを放っていたことから、開拓者たちに「悪臭の草」とか「スカンクのような悪臭を放つ草」と呼ばれていた。

 いささかイメージの悪いものであったが、このChigagouという呼び名は、後に付近を流れる川の名前に転用されてシカゴ川と呼ばれるようになり、1834年には市名にも用いられるようになったのである。

 では、今回はこの辺で失礼をば。
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