よもやまメモ噺

いんじんリュウキ

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液体でもなければ固体でもない噺

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 液体でもなければ固体でもない。

 そんな摩訶不思議なものがどこにあるのかといえば、ごく身近なところにあった。

 それはケチャップやマヨネーズである。

 これらはチキソトロピーといわれるもののひとつなのだが、これはゾルにもゲルにもなれるものをいう。

 ゾルとは、固体の分散粒子が液体の分散媒に浮遊して流動性のある状態、平たく言えばドロドロとした状態のことを指し、ゾルが流動性を失ってゼリーや豆腐のような感じになったものをゲルといった。

 ケチャップなどは、容器の中で静かに置かれている時は流動性のないゲルの状態であるが、容器を振ったりするとゲル構造の分子間力が弱まって流動的になり、ゾル状態になるのだ。

 このようにゲルとゾルを行き来することができるので、科学的には、ケチャップやマヨネーズは液体でもなければ固体でもないものとされているのである。

 では、今回はこの辺で失礼をば。
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