よもやまメモ噺

いんじんリュウキ

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へこんで強くなる噺

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 殺虫剤などのスプレー缶の底を見てみると、決まって底の部分がドーム型にへこんでいることに気づくと思う。

 なぜこのような形状になっているのかといえば、これはスプレー缶の破裂を防ぐための工夫なのだ。

 スプレー缶の中身には液化ガスが混じっているのだが、これはガスに強い圧力を加えて液体にしたもので、外部に噴射するとすぐに気化してしまう。

 その液化ガスがスプレー缶の中で液体状態を保っていられるのは、強い圧力が働いているからなのだが、この高圧に対して平面状態の容器は脆いのだ。

 対して球面は圧力に強いので、スプレー缶の底は平面ではなくてドーム型になっているのである。

 なお、スプレー缶は円筒形ばかりで、四角いものが存在していないのも、同様の理由からだ。

 では、今回はこの辺で失礼をば。
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