よもやまメモ噺

いんじんリュウキ

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絞め殺し植物噺

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 世界には様々な種類の植物が存在しているが、なかには他の植物を絞め殺して生きていく種類のものもいる。

 それは西表島や小笠原諸島などといった熱帯のジャングルに分布している、ガジュマルやアコウなどといった植物だ。

 まず、種子は鳥の糞に混じって高い木の上に蒔かれ、そこから発芽すると、その木の幹を伝って上から下へ根を伸ばしていく。

 そして、根が地面に達して水分補給路を確保すると、今度は上に向かって枝を伸ばし始めるのだ。

 さらに、根の方は枝分かれしながら幹にぐるぐる巻きついて、竹細工のカゴのように発芽した木を包み込み、また上に伸びた枝も木の樹冠を覆いつくすように生長して、そのまま相手を枯らし、乗っ取りを完了させるのである。

 では、今回はこの辺で失礼をば。

 
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