よもやまメモ噺

いんじんリュウキ

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スイス人が守る噺

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 カトリック教会の総本山であり、世界最小の国家としても知られるバチカン市国。

 このバチカン市国を警備する衛兵になるには、カトリック教徒であることや身長が174センチ以上であることなどに加えて、スイス国籍を有する人物であることという条件があるのだ。

 なぜスイス人でなければならないのか。

 その理由は16世紀の教皇クレメンス7世の時代、神聖ローマ帝国のカール5世の軍がバチカンに攻め込もうとしたことに端を発する。

 もともと、スイスは傭兵を派遣することを産業の一環としてきたのだが、この時バチカンで任務に就いていた150人ほどの衛兵たちは、法王を守って壮絶な戦死を遂げたのだ。

 この勇敢な戦いぶりと忠誠心を称え、バチカンを守る衛兵はスイス人でなければならないという決まりができたのである。

 では、今回はこの辺で失礼をば。
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