よもやまメモ噺

いんじんリュウキ

文字の大きさ
上 下
267 / 965

直径15尺噺

しおりを挟む
 直径15尺(455センチ)というのは、土俵の大きさのことだが、この大きさになるまでには色々と紆余曲折があったのだ。

 そもそも、土俵というものが誕生したのは江戸時代のことであった。

 当時の相撲のルールは、見物人の中へ相手の力士を投げ飛ばせば勝ちという乱暴なもの。

 当然ながら見物人とのトラブルは頻発し、幕府が相撲興行の禁止を言い渡す事態にまでなってしまった。

 頭を抱えた興行主が考えたのは、現在は「房」になっている4本柱から外に飛び出したら負けというもので、その後柱の中に土を盛って土俵が作られるようになり、1670年頃には土俵から出たら負けというルールが定められたという。

 この頃の土俵の直径は13尺(394センチ)だったのだが、これは大人2人が横に並んで手を伸ばした時の長さに由来しているとのこと。

 そして現在の大きさになったのは、1931年の天覧相撲がきっかけで「もっと激しい攻防が見られるはず」というのが理由である。

 ちなみに、戦後すぐの1946年にアメリカ軍兵士におもしろい相撲を見てもらおうということで、土俵の直径が16尺(488センチ)になったのだが、不評だったので1場所限りで元の大きさに戻されたという。

 では、今回はこの辺で失礼をば。
しおりを挟む

処理中です...