よもやまメモ噺

黒い雲白い雲噺

　雨が降りそうだなという時、なんとなく雲の感じから、どんな風に雨が降ってくるか想像できると思う。

　白っぽい灰色の雲が空一面を覆っている時には、細かい雨がシトシトと降り、黒っぽい灰色でモクモクした積雲状の巨大な雲の時には、ザーッとすごい勢いで降るといった具合で。

　この違いには、上昇気流の強さが大きく関わっている。

　まず、空一面を水平に覆う雲の中は上昇気流があまり強くない。

　そのため、水滴は徐々に作られ、少し大きくなると落下してしまう。

　故にこういった雲の時は雨の降り方が弱く、長い時間降り続くのだ。

　一方で、黒い積雲状の雲の中では激しい上昇気流が生じている。

　そのため、大粒の水滴やあられが急速に作られるのだが、激しい上昇気流によってなかなか落ちてこず、雲の上の方に溜まっていく。

　そして、上昇気流が弱まったり水滴が多くなりすぎた瞬間、水滴は一気に落下し始め、バケツをひっくり返したような大雨になるのだ。

　では、今回はこの辺で失礼をば。