よもやまメモ噺

130メートル噺

　130メートル。
　これは樹木の生長限界とされている高さで、これ以上背丈を高くすることはほぼ不可能だといわれている。

　その理由は、水を吸い上げる力の限界がこの高さだからだとのこと。

　植物は、3つの力によって水を吸い上げており、ひとつは根からの押し上げる力、もうひとつは「毛細管現象」によって自然に水が上がっていく力だ。

　樹木の幹の内部には「道管」という細いパイプがあり、道管の壁には液体を引き上げる力が生まれ、自然に水が上がっていくのである。

　そして3つ目は、葉の蒸散作用によるものだ。

　実は葉の表面というのは穴だらけで、1平方ミリというごくわずかの表面に、数十から多いものでは1000ほどの穴が開いており、その穴から水が蒸発していくぶん、道管の水は葉の方に吸い寄せられるので、道管内の水は常に葉の方に吸い寄せられているという。

　これらの力によって植物は水を吸い上げているのだが、どんなに頑張っても高さ130メートルが上限であり、故に樹木の生長はその高さが限界なのだ。

　では、今回はこの辺で失礼をば。