よもやまメモ噺

いんじんリュウキ

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涙の味噺

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 人は様々な状況で涙を流すことがあるが、流した時の感情によって涙の味が変わってくるという。

 そもそも涙は血液から作られている。

 血液の血しょうの中には体内に酸素を運ぶ赤血球と菌などを食べる白血球、傷をふさぐ血小板などがあるが、これら3つは涙腺を通ることができないので、それ以外の成分が涙になっているのだ。

 涙の98%は水分だが、塩素やナトリウム、タンパク質、糖分、カルシウムなども含まれており、ナトリウムの量が涙の味を変えているとのこと。

 泣いて涙が流れている時には、自律神経の「交感神経」と「副交感神経」が刺激を受けているが、この2つの神経が働く時の感情は同じではない。

 「交感神経」は興奮をつかさどり、怒ったり感情が高ぶったりした時に優位に働くのだが、そうすると腎臓からナトリウムの排出が抑制されるため、涙の素となる体液内のナトリウム濃度が高くなるため、怒りや悔し涙は塩辛いものになるのだ。

 一方で喜んだり悲しんだりすると「副交感神経」が優位に働くので、腎臓のナトリウム排出が機能してナトリウム濃度が上がらず、水っぽい涙になるとのこと。

 ちなみに、泣いた時は涙とともに鼻水が出ることが多いが、これは涙が鼻涙管びるいかんを経て鼻に流れ込んだものである。

 では、今回はこの辺で失礼をば。
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