よもやまメモ噺

いんじんリュウキ

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水を武器にして噺

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 古くから日本と交流のあるオランダ。

 正式にはネーデルラント王国というのだが、ネーデルラントとは「低地諸国」という意味であり、それを最大限に活かして独立を勝ち取ったという歴史があるのだ。

 16世紀後半、ネーデルラントは大国スペインの支配下にあったのだが、北部地域を領有していたオラニエ公が独立へ向けて立ち上がったのだ。

 戦いは長く続くのだが、北部側はある武器を投入して、見事スペインの撃退に成功する。

 その武器とは”水”だ。

 オランダは国土の多くが海を干拓した土地で、町々には多数の堤防が張り巡らされており、その堤防と水の圧力を利用してスペイン軍を攻撃したのである。

 まず、国のあちこちに水門をつくり、スペイン軍が侵入してきたらその方向に水門を開けるか、もしくはスペイン軍を低地におびき寄せたうえで水門を開け、水門から流れ出た海水でスペイン兵を襲うという仕組みだ。

 スペイン軍はこの水攻めに悩まされて北部側を攻めあぐね、さらにヨーロッパ中を巻き込んだ30年戦争も重なり、ついに1648年にスペインはネーデルラント連邦共和国の独立を認めたのである。

 では、今回はこの辺で失礼をば。
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