よもやまメモ噺

いんじんリュウキ

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ふくらむふくらまない噺

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 焼きもちはふくらむが焼きおにぎりはふくらまない。

 これには、アミロペクチンの存在が大きく関わっている。

 アミロペクチンとはでんぷんの一種で、粘り気があって伸びやすいという特徴があり、顕微鏡で見てみると、幾重にも枝分かれしたような形状になっているのだ。

 もちを焼くと、もちの中に閉じ込められている水分が加熱され、水蒸気になって体積が増える。

 この時、しっかり絡み合ったアミロペクチンは切れることなくゴムのように伸びるので、もちは内側から水蒸気に押されてふくらんでいくのだ。

 このアミロペクチン、もち米はもちろん、普段炊飯で食べているうるち米にも含まれているのだが、うるち米には粘り気のないアミロースというでんぷんも含まれているので、おにぎりを焼いてももちのようにふくらまないのである。

 では、今回はこの辺で失礼をば。
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