よもやまメモ噺

いんじんリュウキ

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ゆで赤噺

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 カニやエビの絵を描く時、なんとなく赤く塗ってしまうことが多いと思う。

 だが、生きているカニやエビは赤ではなくて、黒や茶色っぽい色合いをしている。

 これは、普段目にしているのが調理後の姿ばかりだということが背景にあるのだが、ではなぜ、カニやエビはゆでたりすると赤く色が変化するのだろうか。

 これには、アスタキサンチンという色素の働きが大きく影響している。

 アスタキサンチンはもともと赤い色素であるのだが、たんぱく質とくっついている時は黒っぽい青灰色を示す。

 なので、エビやカニが生きている時はたんぱく質とくっついているので殻は茶色っぽい色をし、逆にゆでるとたんぱく質が離れるので赤い色になるのだ。

 ちなみに、フラミンゴの色もアスタキサンチンの働きによるものだ。

 生まれた時のフラミンゴは白い色をしているが、エサとなる藻を食べることで、体の中にアスタキサンチンを取り入れているのである。

 では、今回はこの辺で失礼をば。
 
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