よもやまメモ噺

いんじんリュウキ

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川岸に柳噺

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 時代劇や江戸時代の浮世絵などを見ると、川岸の風景には柳がつきものである。

 なぜ川岸に柳が植えられているかといえば、その理由は岸辺を守るためだ。

 コンクリートなどの補強技術がない時代、岸辺はたえず水の流れによって削られていた。

 そこで岸辺を補強するため、柳が植えられるようになる。

 柳が根を張ると密集したヒゲ根によって地盤が引き締められ、簡単には流失しない強固な地盤になるのだ。

 加えて柳には湿気を好む性質があり、直接水に触れても枯れることがないうえ、挿し木で生育させることができるため、護岸用として用いるには最適だった。

 さらに柳には様々な高さのものがあるのだが、背の低いネコヤナギやカワヤナギを川辺に植えると、垂れ下がった枝が川の表面にまで達し、その枝が川の流れが速さを増した時に流れを食い止める効果も持ち合わせていたのだ。

 では、今回はこの辺で失礼をば。
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