よもやまメモ噺

いんじんリュウキ

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10本噺

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 ボウリングのピンは10本であるが、この数は悪知恵によって決められたという。

 ボウリングの起源は古く、古代エジプトの頃には玉を転がして遠くに置かれた柱を倒すという遊びが行われており、実際紀元前5200年頃の墓から石でできたピンのようなものと、大理石でできたボールが発見されている。

 その後、中世ヨーロッパで現在のように徳利型のピンを使い、ダイヤ形に9本のピンを並べるスタイルが定着していくようになる。

 そしてこの遊びがアメリカへと伝わり、19世紀の半ば頃にはピンの数から「ナイン・ピンズ」と呼ばれて大流行することになった。

 この時、ピンを倒す数で賭けをする人たちが現れるようになり、この事態を憂慮した複数の州でナイン・ピンズを禁ずる州法が制定された。

 だが、法律の抜け穴を考える人が現れるのは世の常で、「ナインがダメならテンならいいだろ」と言わんばかりにピンを1本増やした10本でゲームをし始めたのだ。

 他の地域でもこれに追随する動きが生じ、10本が標準のスタイルとして定着することになったのである。

 では、今回はこの辺で失礼をば。

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