よもやまメモ噺

いんじんリュウキ

文字の大きさ
上 下
107 / 965

座敷鷹噺

しおりを挟む
 江戸時代には、「座敷鷹ざしきだか」と呼ばれる生き物を用いた賭け事が存在していた。

  名前に”鷹”が付いてはいるが、ここで登場する生き物はハエトリグモ。
 クモを鷹に見立てて、屋内で鷹狩りの真似事をしたのである。

 どうやるかといえば、獲物となるハエの羽を短く切って動きを鈍くしたうえで、各人が持ち寄ったクモを放し、誰のクモが獲物を捕るか賭けるのだ。
 
 当然ながら、誰もが強いクモを手に入れたがり、クモを売買する商売まで登場するようになった。
 
 やがて、クモの値段は高騰、強いクモは江戸町人の1ヶ月の月収程度の値段で取引されるようになってしまう。

 さすがにここまで過熱すると幕府も看過することはできす、取り締まりの対象となって、「座敷鷹」は消滅してしまったのだ。

 では、今回はこの辺で失礼をば。
しおりを挟む

処理中です...